外部照射による放射線療法・前立腺がんの治療 

  前立腺がんの治療に適した強度変調放射線治療(IMRT)
       
       

  

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前立腺がんの外部照射

   
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放射線治療は,手術などと異なり,身体に負担が少なく,排尿機能や男性機能も維持しやすいというメリットがあります。

ただし,前立腺がんは放射線感受性が低く,治療のためには,70〜80Grayが必要とされます。(肺がんは44〜55Gray,食道がんは50〜60Gray,乳がんは55〜70Gray)

放射線感受性が低い前立腺がんですが,放射線で治りにくいということではなく,高線量を照射すれば治療できますが,ここで大きな問題が生じます。

それは,前立腺は,周囲に膀胱や直腸など,放射線感受性の高い臓器が近接しており,照射量が高いと,これらの臓器がダメージを受け,出血や頻尿,排便時の痛みや出血が起こることもあるからです。

特に注意しなければならない副作用として,まれにではありますが,治療後半年以上経過してから,晩期障害が起こることがあります。

この晩期障害と呼ばれる合併症は治りにくいことも多く,血尿,尿道狭窄,直腸出血などがあります。

一方で,これらの合併症を避けようと,線量を低下させてしまうと,治癒できずに再発という結果を招くことになります。

現在の放射線の外部照射の問題点として,放射線治療機器に施設によって大きな格差があるために,前立腺に十分な線量を照射していない施設も多いということが指摘されています。


前立腺がんのために開発された3D−CRT


従来のリニアックを使用した,2次元の照射では,上記のような出血などの合併症を避けようとすると,総線量を66Gray以上に上げることができず,前立腺がんに必要な最低線量を照射することができません。

そこで,より正常組織に放射線量を下げ,腫瘍に集中してより多くの放射線を照射できるように,日本で開発された照射法が3次元原体照射法(3D-CRT:Three-dimensional conformal radiation therapy)です。

この装置では,CTから得られた,3次元断層画像をもとに専用のにコンピュータソフトを使用して,治療計画を立てます。

色分けをした精密な放射線量のシュミレーションをおこない,照射する部位を決定します。

この方式により,従来の4門照射や回転照射より多方向からの照射が可能になったことで,がんへの集中度が高まり,周囲の正常組織への影響を減らすことが可能になりました。

この3D-CRTの治療対象は,前立腺がんの局所限局がん(STAGE:T1)から浸潤がん(STAGE:T4)で転移がないことが条件で,リンパ節転移や遠隔転移がある場合は治療対象となりません。

照射線量が高いほど,治療効果も高いのですが,この3D−CRTの照射線量の限界は,74Grayとされています。

この3D−CRTの方式では,1日2Grayずつしか照射できないため,74Grayに到達するために,合計37回,8週にわたり照射しなければならず,治療期間が長いというデメリットもあります。

反面,手術のような身体的負担もなく,内部照射のように麻酔をかけることもないため,余病を持つ人や高齢者に適しているとされています。

ただし,この3D−CRTの照射量限界値の74Grayでは根治は難しいという意見もあります。




   
       
   
 
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3D−CRTを進化させ,さらに集中度を高めたIMRT


3D−CRTをさらに,精密にし放射線の,腫瘍への集中度をさらに高めた照射法が強度変調放射線療法(Intensity modulated radiation therapy)です。

このIMRTの特徴は,腫瘍の形に合わせて複数の方向から照射できるだけでなく,照射角度によって,ビームの強弱をつけることを可能としたことです。

IMRTでは,照射口に装着されたマルチリーフコリメータと呼ばれる120枚の多層構造からなる金属製の遮蔽板を動かすことにより,腫瘍の形に合わせながらもビームの強弱をつけることも可能にしたのです。

これによって,複雑な形をした腫瘍にも,周辺臓器への照射を極力避けながら照射が可能になりました。

米国の報告でば,このIMRTを受けた前立腺がん患者は,3D−CRTを受けた患者に比較して合併症が少ないとされています。

       
  従来型の照射では,照射位置によって正常組織も高い照射線量を受けてしまう。  IMRTでは,照射位置によってビームの強さが変化し,腫瘍に高線量,それ以外は低線量で照射することができる。     


粒子線治療

上記の3D−CRTやIMRTは放射線の中のエックス線を利用したものでしたが,エックス線のかわりに,陽子線や重粒子線を利用した治療もおこなわれるようになり,粒子線治療と呼ばれています。

陽子線治療では,水素の原子核を利用し,シンクロトロンやサイクロトロンなどの加速器で光速に近い速度まで加速され,照射されます。

重粒子線治療では,陽子線よりさらに炭素の原子核が使用され,巨大な加速器によって加速され照射されます。

どちらも同じ原理ですが,加速させるものが水素の原子核と炭素の原子核で質量が大きく異なるため,重粒子線治療の方が巨大な設備を必要とし,かつ,がん細胞の破壊力も大きいとされています。

粒子線治療のメリットは,エックス線が体表面では,最も強く内部に行くにしたがって,弱くなっていくのに対し,粒子線ではブラックピークと呼ばれる位置で最大のエネルギーを放出し,その後は運動を停止するため,正常細胞への影響や副作用が少ないといわれています。

ただし,陽子線治療や重粒子腺治療は,研究途上にあることは,否定できません。

前立腺は呼吸や直腸の動きに合わせても,動いてしまうという性質があり,標的がズレることで正常組織に照射されるてしまうリスクがあります。

特に,重粒子線は破壊力が大きいため,正確に照射できなかった場合,合併症も重くなるえというリスクも存在します。

実際に,粒子線治療の後に再発し,直腸や膀胱の障害がみられた患者も報告されています。

外部照射のまとめ


放射線感受性の低い前立腺がんに高い線量照射が必要な点や副作用の少なさから考えると外部照射を受けるなら,現在の時点では,強度変調放射線治療(IMRT)が最も適しているといえるでしょう。

3D−CRTの照射量限界値の74Grayでは根治にしては低い数値ですし,陽子線・重粒子線治療では,合併症の発生率はIMRTより多いというアメリカの研究者の報告もあります。

このIMRTのなかでもトモセラピーとよばれる治療装置は,CT画像撮影と照射が同時に行えるため,誤差が少なく,360度全方位より照射するため,特に正常組織への影響は少ないとされています。




         
                       
 
  
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