前立腺がんの治療法の比較と選択 

 
  前立腺がんの治療法にはそれぞれメリット・デメリットあり
       
       

  

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前立腺がんの治療法の選択

   
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治療の選択肢が多い前立腺がん


がんの進行度にもよりますが,前立腺がんの治療法は,多くの選択肢があります。

大きく分けても,「PSA監視療法」「手術」「放射線療法」「ホルモン療法」「抗がん剤治療」があります。

さらに細かく分けると,手術には,通常の開放手術,内視鏡手術,ロボット手術などがあり,放射線治療では,IMRT,小線源療法,陽子線治療,重粒子線治療などがあります。

その他にも,ホルモン剤を中心とした,内分泌療法やHI−FU(高密度焦点式超音波療法)もあります。

これらの中から,患者さんは医師との相談の上で,決定していかなければならず,選択次第で,治療後のQOL(生活の質)や再発などが左右されるわけですので,多くの方が治療選択で悩まれるのは当然のことと思います。

患者としては,QOLを高く維持でき,かつ,再発が少ない治療法を選択したいものです。


リスク分類,健康状態,年齢,治療後のQOLなどから総合的に判断


前立腺がんの治療選択の判断材料として,リスク分類があります。

このリスク分類にはD’Amicoのリスク分類や,NCCNのリスク分類がよく使用されます。

一般に,低リスクでは,PSA監視療法も選択肢の一つです。また,低〜中リスクでは,手術または,放射線治療が選択肢となります。

高リスクでは,手術や放射線療法の他にホルモン療法も補助療法としておこなうことが多いようです。

その他,患者さんと健康状態や体力も考慮しなければなりません。体力があまりない場合,手術より,放射線治療やHIFUの方が向いています。


また,治療後のQOL(生活の質)がどれだけ維持できるかも,よく事前に医師に確認しておく必要があります。

たとえば,通常の手術を行うと,術後には,ほぼ全例に勃起障害が現れます。
その他,尿失禁や排尿困難などの合併症が現れるリスクもあります。


また,前立腺がんは高齢で発症することが多く,進行する速度も遅い場合が多いため,積極的治療をおこなうかどうかは,年齢も判断基準のひとつとなります。

たとえば,年齢80歳の患者さんの場合,手術や放射線治療のような積極的な治療を行わず,ホルモン治療で天寿を全うできるという考え方があります。

しかし,一方で,日本人の平均寿命は80歳前後としても,健康な人は90歳まで生きる人も多く,80歳でも手術や放射線治療を勧めるべきという考え方もあります。

この判断は,医師の考え方,患者さんの考え方,価値観とも関わることでもあり,担当医師とよく相談し,治療法のメリット・デメリットをよく検討して,納得のうえ治療の選択をしていただきたいと思います。

ただし,自分では判断が難しい面もあります。そのような場合には,ためらわずにセカンドオピニオン,さらにはサードオピニオンまで求めることも,後で後悔しないためにも大切なことです。



   
       
   
 
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確認しておきたい各治療法のメリットとデメリット

           

PSA監視療法の選択


前立腺がんの治療では,前立腺がんが進行の遅いがん多いということから,前立腺にがんが発症していることがわかっても,すぐにに治療をおこなわず,しばらく経過を観察することがあります。

これをPSA監視療法,または待機療法とよび,実際,根治的治療を選択せずに,PSA監視療法をおこなっている症例は全体の約15%をしめています。

この方法は無治療とは異なり,PSA値が上昇した場合などは,積極的に治療をおこなう,治療のタイミングをはかる方法ともいえます。

経過観察中は,一般にPSA検査を3ヵ月おきに実施し,MRIなどの画像診断を6〜12ヵ月おきに行い,前立腺がんの状態を確認します。

待機療法は,早期がんが対象ですが,その他にも詳しい厳密な条件があります。

厳密な条件があるのは,安易にPSA監視療法をおこなうと,治療の機会を逃し,手遅れになってしまうリスクがあるからです。

この方法では,手術にや放射線治療による合併症や,内分泌療法による副作用の苦痛から逃れることができる反面,治療の機会を逃し,手遅れになってしまうリスクもあるということを理解しておく必要があります。


前立腺がん手術の選択


手術では,前立腺全体を摘出してしまうため,根治性は高いとされています。

ただし,根治性が期待できるのは,腫瘍が前立腺から外に出ていないということが前提となります。

事実,画像診断ではそのように診断され,根治可能な手段として手術を選択しても,実際には,がんが前立腺外へ浸潤あるいは転移していたため,再発するということはよくあるケースです。

また,前立腺がんの開腹手術では,2時間から4時間も時間がかかり、出血量は500ml以上にもなる,身体的負担の大きな手術であり,患者の健康状態や体力も考慮しなければなりません。

近年,普及しはじめた腹腔鏡下前立腺全摘除術,ロボット支援手術,ミニマム創内視鏡下手術は,傷跡を小さくしたり,出血量を抑えたり,入院期間を短くしたりするメリットがあります。

しかし,どの方法であっても,全摘手術では尿失禁や性機能障害(ED),下肢のむくみなどが起こりやすいといわれています。

近年,手術の技術は進歩し,神経温存手術もおこなわれるようになったとはいえ,この温存手術をおこなっても,特に性機能は維持できない場合も多いため,医師と事前によく相談する必要があるといえるでしょう。

性機能を維持したいならば,放射腺治療を選択した方が維持できる可能性は高くなります。

また,近年米国ではロボット手術が主流となっていますが,日本でもこのロボット支援手術が導入されるようになってきています。

ロボット支援手術では,開腹手術より,がんの取り残しも少なく,出血も少なくてすむというメリットも多いのですが,このロボット支援手術をおこなっている施設は,限られます。

また,医師がこのロボットの操作に慣れ,安全に使いこなせるまでには,経験が必要です。

根治的前立腺全摘手術では,医師がどれだけ手術数を経験しているかすなわちどれだけ手術に熟練しているかが,治療の結果に大きく影響するといわれています。

手術を選択するなら,患者側としては,経験豊富な医師,症例数の多い病院を選択したいものです。



放射腺治療の選択


前立腺がんの放射線治療は,外部照射,密封小線源治療,粒子線治療など選択肢もいくつかあります。

放射線治療は低リスク群は放射線治療は手術に匹敵するだけでなく,中・高リスク群のケースでも,内分泌療法と併用することで,根治も可能です。

放射線治療は,手術後の尿失禁・性機能不全なども起こりにくいといわれ,前立腺がんで,この治療法を選択するメリットは大きいといえるでしょう。

外部照射ならば,直腸などの近接臓器への照射を抑えられる強度変調治療(IMRT)が最も適しています。

IMRTは複数の角度から,照射する放射線ビームの強弱を変化させることができるため,直腸からの出血などの副作用を抑えることが可能なだけでなく,高い線量を前立腺に集中できます。

また,陽子線・や重粒子線治療では,周囲の臓器に影響がほとんどないため,前立腺がんの治療には適しています。

小線源治療は,膀胱,尿道などには,放射線の影響も少なく,副作用も少なく,放射線治療の中では,治癒率が最も高い治療法といわれています。

このように,前立腺がんにおいてはメリットの多い放射線治療ですが,問題点もあります。

前立腺がんは放射線感受性が低く,高い線量を照射する必要があります。

しかし,前立腺は直腸や膀胱などの臓器が近接しており,その照射量も制限せざるをえません。

2011年の大阪大学などの調査では,「早期前立腺がん患者の半数以上が根治に必要な線量の放射線照射を受けていない。」という調査結果を報告しています。

これは,せっかく放射線治療を受けても,根治は期待できず,再発するケースも多いという実態を示すものです。

この原因として,放射腺治療専門の放射線腫瘍医が不足している点や,治療機器の格差が指摘されています。

一方で,この放射線が,ある程度の線量で,直腸まで照射されると今度は直腸炎や下血などが起こることもあります。

また,前立腺は動きやすい臓器であり,正確な照射が難しい臓器です。

事実,究極の放射線治療とよばれる粒子線治療や重粒子腺治療でも,再発するケースはあります。

そこで,北大病院などのように,動く病変を追跡したり,修正したりして照射する動体追跡強度放射線治療(RT-IMRT)を実施して,手術以上の成績をあげている施設もあります。

患者側としては,信頼できる治療技術を持った放射線腫瘍医が在籍し,かつIMRTなどのような,ピンポイント照射が可能な機器を導入している病院を選択する必要があるといえるでしょう。




ホルモン療法の選択


ホルモン療法は,一般に,早期の前立腺がんに単独でおこなわれるだけでなく,手術や放射線治療の前に,ネオアジュバント療法として,また術後におこなうアジュバント療法として実施されています。

ホルモン療法は,手術と異なり,体力のない患者でも,おこなうことができ,前立腺が温存でき,その機能が維持できるというメリットがあります。

反面,ホルモン治療は副作用も強く,EDや性欲低下のような性機能障害をはじめ,ホットフラッシュによる発汗,のぼせ,筋力低下,関節痛,骨粗鬆症などがみられるだけでなく,さらには抑うつ状態を引き起こすこともあります。

また,延命のための長期的なホルモン療法では,効果がみられなくなる時がいずれきます。

早い場合ですと,2〜3年で効かなくなる場合もあり,その場合ホルモン剤を替えたり,抗がん剤治療に切り替える必要があります。

また,ホルモン剤は高価なことが多く,高額の出費も覚悟しなければなりません。

以上のことから,ホルモン療法を長期間続けるには,注意が必要といえます。



HIFU(高密度焦点式超音波法)(High Intensity Focused Ultrasound)


HIFU(ハイフ)とは,肛門から超音波を発振するプローブを直腸に挿入前立腺し,前立腺に強力な超音波を照射して,がん細胞を超高温により,壊死させる治療法です。

このHIFUの最大の特徴は,メスなどを入れない低侵襲治療であるということで,手術時にみられる出血もなく,治療後のQOLを高く維持できます。

1〜2泊程度の入院ですませることができ,身体的負担が少ないことから,特に高齢者の治療には向いています。

この治療法が適応される条件は,病期がT1〜T2であること,すなわち腫瘍が前立腺内にとどまり,他に転移がないことです。

HIFUでは,治療後,むくみにより,一時的に尿閉が起こりやすいため,カテーテルを2〜4週間留置する必要があります。

膀胱炎や精巣上体炎などの感染症も起こることがあり,抗生物質を服用する必要があります。

この治療法は新しい治療法のため,まだ治療のデータの集積も十分ではなく,さらに,保険適応となっていないため,100万程度の高額の費用がかかります。

このHIFUは,身体的負担が少ないという点で,メリットの大きな治療法ですが,中リスク群以上の場合,HIFUでは高率に再発があるため,通常は,手術療法・放射線療法が優先されます。

         
                       


 
  
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